1968年(昭和43年)7月27日から8月4日まで熊本県三角町へ旅行した際、往復「寝台特急みずほ」に乗りました。座席はプルマン式寝台車ナロネ21、1等寝台、しかも下段です。それは私の最初で最後のブルートレインの体験でした。
当時は鉄道にはまったく興味がなかったが、ここ何年かで「みずほ」が機関車EF65に牽引されていたことなどを知ったせいで、みずほ、EF65、20系客車などに関心を持つようになりました。寝台特急がなくなりつつある現在、今では「みずほ」の1等寝台(しかも下段)に乗ったことはとても貴重な体験だったと改めて実感しています。
というわけで、動態保存されているEF65-501が走行すること知っては撮影に出かけてみたり、2008年にはZゲージ、今年(2015年)に入ってからはNゲージのEF65-501や20系客車セットを揃え、在りし日の寝台特急みずほに思いを馳せながら模型で再現してみた次第です。とりあえず最低限のレールは用意しましたが、走らせることにはまだ関心が薄い状態です。(2015.3.12)
懐かしき寝台特急みずほを牽引した機関車EF65を撮る (2008.11.3撮影)
上野駅に入線するため12系客車6両を牽引しながら日暮里駅を通過するEF65-501。このEF65-501(昭和40年製造)こそ、47年前の1968(昭和43年)7月27日(下り)と8月3日(上り)に乗った寝台特急「みずほ」の20系客車をけん引していた機関車だったと勝手に信じている。実際、下記「鉄道画報 No.11春号」には同年3月12日にEF65-501が20系みずほを牽引している写真が掲載されている。
再会、EF65-501日暮里駅に接近中のEF65-501。昭和43年夏、東京駅を18時20分に出発して翌日の13時20分に熊本到着。プルマン式一等寝台車での旅は、絨毯の通路、朝には朝刊が届けられなど、すこぶる快適だった。
接近、EF65-501高崎へ向かうEF65-501。40年の時を経て接する喜びに気持ちは高ぶるばかり。このEF65-501は今年初め秋田車両センターで大掛かりな修復・整備・再塗装が行われ、現在は高崎機関区に所属。
感動、EF65-501
EF65形 500番台、みずほ 関連書
2007年5月発行の「鉄道画報 No.11春号 EF65 500 憧憬の軌跡」。誠文堂新光社。定価1260円。
鉄道画報 No.11春号
EF65形500番台を特集。
フロントウィンドーの窓枠のゴムの色が、修復によりベージュ系から黒に変わっている。2007年11月発行の「鉄道画報 No.11秋号 寝台特急“ブルートレイン”の群像」。誠文堂新光社。定価1680円。
鉄道画報 No.11秋号
国鉄寝台特急およびオリエントエクスプレス日本運行の記録を特集。2014年11月発行の「EF65形メモリアル 登場から50年。高速直流電機栄光の軌跡」。交通新聞社。定価1890円。
EF65形メモリアル
EF65形501号機を特集。1968年6月号。私が乗車した時の時刻表で、乗車当時のみずほのダイヤが判明した(入手は2015年3月)。交通案内社。定価100円。
ポケット全国時刻表
表紙の画像が右下がりに歪んでいるが、当時、時刻表の製本はかなり雑だったことが伺える。
「みずほ」の車両編成
● 私が乗った4年後、1972(S47).3.4 の車両編成 ●
機関車 電源車 1号車 2号車 3号車 4号車 5号車 6号車 7号車 8号車 9号車 10号車 11号車 12号車 13号車 14号車 EF65
528カニ21
3ナロネ21
130ナハネ20
7ナハネ20
15ナハネ20
73ナシ20
5ナハネ20
1ナハネフ23
3ナロネ21
108ナハネ20
57ナハネ20
138ナハネ20
227ナハネ20
70ナハネ20
506ナハネフ22
10(熊本行編成) (博多回転の付属編成)
(「東京駅夜行列車ホーム(国鉄時代の東京駅風景)」より)
* 客車は20系車両で、熊本行きが1号車から7号車までの熊本行き編成、8号車から14号車が博多回転の付属編成。(「ブルートレイン序章」より) * 上図の黄色と薄赤色に表示されている車両は下記Nゲージ基本セットに含まれる車両(機関車EF65と8号車ナロネ21は単品追加)。
● 私が乗った「みずほ」 ●
私が乗った「みずほ」のダイヤは、7/27 の熊本行きが、東京発18:00―熊本着12:45で、8/3 の東京行きが、熊本発15:55―東京着10:40でした。その時の時刻表は下記に掲載したとおりです(ポケット全国時刻表 1968年6月号より)。
翌朝目が覚めて窓の外を見た時、ちょうど広島駅に止まっていたことを今でもよく覚えているのですが、この時刻表によりそれが6:05から6:10頃だったということがわかりました。
1968(S43).7.27 下り熊本行きダイヤ
東京−豊橋
(東京発18:00)
豊橋−大阪
大阪−広島
広島−門司
門司−久留米
久留米−熊本
(熊本着12:45)
1968(S43).8.3 上り東京行きダイヤ
熊本−久留米
(熊本発15:55)
久留米−門司
門司−広島
広島−大阪
大阪−豊橋
豊橋−東京
(東京着10:40)
* 1968年当時(1965-1978)の牽引機は、東京―下関間がEF65-500番台、下関―門司(関門トンネル)がEF30、門司―熊本間がED73-1000番台だった。(「ブルートレイン序章」より) * 1968年4月1日現在の東京機関区所属のEF65は、60〜64、501〜512、527〜531。
● プルマン式1等寝台車ナロネ21 ●
ナロネ21は、上下2段の寝台をレール方向に配置するプルマン式と呼ばれる1等寝台車(当時はB寝台と呼ばれた)です。寝台は絨毯敷きの中央通路をはさんで左右に7列ずつ配置されるので、1両の定員は28人と、贅沢な使い方をしています。
私は幸運にも熊本寄り右側下段のチケットを手に入れることができました。熊本行き編成はナロネ21が1両だけなので、乗車した車両は、上の編成図の1号車(薄赤色の車両)だったことになります。1等寝台では朝になると各寝台に朝刊が届けらるなど満足度の高いサービスを受けました。
ナロネ21 132
1968(S43).8 名古屋市熱田
(「鉄道知識の壺」より)
ナロネ21 145
(Wikipediaより)
* 左のナロネ21 132 は何と私が乗車した日の同月に撮影されたものです。
Nゲージ EF65501 + 20系寝台客車7両基本セット
(寝台特急みずほ再現!)
機関車 電源車 1等/B寝台 2等/A寝台 食堂車 2等/A寝台 2等/A寝台 2等/A寝台 EF65
501カニ21
11ナロネ21
129ナハネ20
231ナシ20
5ナハネフ23
6ナハネ20
248ナハネフ22
7
● EF65 501 ●
KATO 3060-1 EF65 500(P形)(2015.1 購入)。2013年2月末再生産 最新ロット。ナンバープレートは 501、503、505、506号機用、ヘッドマークはあさかぜ、富士が付属する。ナンバープレートは501号機用を使用。
EF65 501EF65の全長16.5mは、20系客車の20.5mに比べて8割ほどの長さとなる。機能に徹した機械の造形美は、ボルボのFRモデルもそうなのだが、見れば見るほど力強く、隙がない。
EF65 501Nゲージという鉄道模型は聞いたことはあったが実際に見るのはこれが初めて。フロントの造形といい。横から見た足回りの精密さといい、その再現性は予想を超えていた。大したものである。
EF65 501 正面車両に付属しないため別途入手した「みずほ」のクイックヘッドマーク。マグネット式の脱着であるためEF65への装着は容易。ピンセットでの作業となるが鉄のピンセットだとヘッドマークが磁力でくっついてやりにくい。
みずほヘッドマーク
ヘッドマーク装着前
ヘッドマーク装着後
ヘッドマーク装着前EF65の車体色は20系客車の配色に合わされる。
ヘッドマーク装着後
● 20系寝台客車 ●
10-366 20系寝台客車7両基本セット。あさかぜ、あけぼの、瀬戸、出雲のバックサインが付属する。20系客車は1963(S38)年6月に投入された。(2010年10月ロット、2015.1購入)
客車セット20-850 エンドレス基本セット。
コントローラーと線路
(2015.2購入)1963年6月に登場した20系客車から使われるようになった水色のみずほバックサイン。客車セットに付属しないため別途入手。左がAタイプでカニ21とナハネフ22用。右がBタイプでナハネフ23用。
みずほバックサイン
電源車のカニ21。この車両は1号車から14号車までの客車の電源を供給する。当時全車が冷房完備で、走るホテルと言われた。左が熊本寄り。
カニ211等寝台のナロネ21。この車両は左右両側、レール方向に寝台が配置されるプルマン式寝台車。寝台は1つの窓あたり上下2段で、窓が7つあるので、片側14人、両側で28人の定員となる。左が熊本寄り。
ナロネ21食堂車のナシ20。左(熊本側)3分の2が食事席、右(東京側)3分の1が厨房となっている。
ナシ20最後尾、2等寝台のナハネフ22。この車両は熊本に向かって左側(写真手前)が寝台、右側が通路である。寝台は1つの窓あたり3段×2列で、窓が8つあるので、48人の定員となる。
ナハネフ22
(左から)カニ21、ナハネフ23、ナハネフ22
バックサイン装着前車両は一色塗りの方が好みだが、青15号の車体色にクリーム1号の帯は素晴らしい。
バックサイン装着後(左から)カニ21、ナハネフ23、ナハネフ22
バックサイン装着前この落ち着いて理性的な配色には大人の趣味を感じる。
バックサイン装着後
カニ21バックサイン点灯
ナハネフ23バックサイン点灯
ナハネフ22 バックサイン点灯
● LED室内灯を装着 ●
パーツは左から、集電端子板、LEDユニット、電球色変換用カラーフィルター。手前は車両天井に付ける照明板。
KATO 11-211 LED室内灯好みでカラーフィルターをLEDユニットに組み込めば、白色照明から淡い電球色照明に変更することができる。
カニ21乗務員室およびバックサインは白色LED照明であるが、車体中央部は私の好みで淡い電球色照明とした。
ナハネフ2310-366 20系寝台客車7両基本セットは、2010年10月ロットからバックサインの照明(乗務員室と兼ねる)が白色LEDとなった。
ナハネフ22
● ジオラマディスプレーケース ●
2両×2線(上下段複線)と小さいながらもリアリティーのあるジオラマが作り込まれているディスプレーケース。サイズはW33.6×D12×H17(cm)。ジェイ・モデリング製。
ジオラマロングケース今回はジェイ・モデリングさんに特注で電化機能を組み込んでもらった。上段左半分が電化区間、上段右半分と下段が非電化区間。
全景上段と下段のフィーダー端子は独立させ、上段が電池パック、下段がパワーパックから給電する。1台のパワーパックで上下段に給電したい場合は分岐コネクターを使う。
近景
上段はEF65(手前)とカニ21(奥)。下段はナハネフ22(手前)と私が乗ったナロネ21(奥)。
夕景すべての客車のバックサインを点灯させる。EF65は非電化区間に載せているため、ヘッドライトは点灯しない。
夕景EF65のヘッドライトは走行時しか点灯しない仕様となっているが、Zゲージには常時点灯システムが組み込まれているので停止中も点灯する。
夜景とても小さいケースなので本棚に設置。本棚内にフィーダー線を引き込むとともに百均のLED照明でEF65501の先頭部を照明。
本棚に設置
ジオラマケース車両配置図
(上段)
電源車 機関車 カニ21 11 EF65 501 先頭
(下段)
1号車 14号車 ナロネ21 129 ナハネフ22 7
後尾
Zゲージ EF65500・20系寝台客車7両基本セット
機関車 電源車 1等/B寝台 食堂車 2等/A寝台 2等/A寝台 2等/A寝台 EF65
530カニ21
26ナロネ21
143ナシ20
28ナハネフ23
19ナハネ20
354ナハネフ22
25
東京マルイ PROZ EF65500・20系寝台客車7両基本セット
車両セット
(2008.5購入)東京マルイ PROZ用コントローラー
コントローラー(レールを除く)
(2008.5購入)(左から)カニ21、ナハネフ23、ナハネフ22、EF65-530
乗務員室付客車とEF65(奥から)カニ21、ナハネフ23、ナハネフ22、EF65-530
乗務員室付客車とEF65
NゲージとZゲージのサイズ比較
線路幅はZゲージが6.5mm(左)、Nゲージが9.0mm(右)。
線路の幅車体縮尺はZゲージが1/220、Nゲージが1/150。
車体の縮尺ZゲージもNゲージに引けを取らない精密さ実現していることがわかる。
Zゲージも十分に精密