バーチウッド・シフトノブ

940 Estate - レポート

〜 バーチウッド・シフトノブ 〜


S/V90 Classicが出たときから狙っていたバーチウッドのシフトノブ

バーチウッド(白樺の木)のシフトノブはフルバーチウッド仕様のS/V90 Classicが出た1998年頃に、なんとか940に付けられないものかとディーラーに相談したことがありますが、そのときは付きませんと言われてあきらめていたものです。 しかし、第4回秋が瀬オフでHideさんの940に960のレッドウッドのシフトノブが付いているのを見て、940と960のシフトレバーは同じ形だったことを改めて思い出し、ならば何とかなるのでないかと確信しました。 考えてみれば940とほとんど同じ960がそのまま90シリーズになったのだから、90シリーズのシフトノブは940にも付くと考えて良かったのです。 結局、ODスイッチがそのまま移行できないために付かないとされていただけの話で、シフトノブ自体は付けることが可能だったのです。 そこで、960と大差ない90シリーズのシフトノブが940に付かない筈はないとの確信でS/V90 Classic用(だと思っていた)バーチウッド・シフトノブを注文しました。



90シリーズ用と70シリーズ用のシフトノブは共通化されていた

90シリーズになってシフトレバーはシフトブーツ仕様になりましたが、850/70シリーズはすでにシフトブーツ仕様になっていました。 実は今回わかったのですが、ボルボ社は90シリーズを出すにあたってシフトノブを850/70シリーズと共通化していたのです。 注文したシフトノブを受け取りに行ったとき、たまたま70シリーズ用として置いてあったレッドウッドのシフトノブと全く同じ形状だったことでわかりました。 改めてカタログを見比べてみるとシフトノブの形状が外見だけは同じであることがわかります。 どうも一度あきらめてしまうとあまり気にしなくなって気付かなかったようです。


苦労したシフトノブの取り外し

到着したばかりのバーチウッドシフトノブをわくわくしながら見てみると、心配していたシフトブーツに隠れた部分は何もなく丈の短かいものでした(写真左)。 一瞬これは駄目かと思いましたが、ノブさえ付けば後は何とかなると思い、さっそく940のシフトノブの取り外しに掛かったのですが、実はこの作業が今回最大の難関でした。とにかくきつく入っているためちょっとやそっとでは引き抜けないのです。 力を入れる際つい左右に振ってしまいそうになりますが、サービス担当者曰く「絶対に左右には振らないようにして下さい」。 結局センターコンソールにまたがるようにしてはじめて抜くことができました。 ODスイッチは爪を使って簡単に引っ張り出せるのであらかじめシフトノブから切り離しておけば良かったのですが、ODスイッチを外せるだけのリード線が出てこなかったのでそのまま抜いてしまいました。 案の定スイッチの端子を壊してしまいました。 しかし、シフトノブは一度抜いてしまうと、次回からは運転席に着座した姿勢で抜けるようになりますのであとは楽になります。


バーチウッド・シフトノブのはめ込みには一工夫必要

どうにか引き抜き、待望のバーチウッド・シフトノブをはめてみると、ここでまた問題発生!なかなか奥まで押し込めないのです。 やはり適合しないのかなと一時は不安になりましたが、ノブの内部をよく観察してみると引っかかってバリのようになった部分が途中に見えたのでそれを削れば入るのではないかと思われました。 予想した通り、棒やすりで少し削っては入れを何度か繰り返した結果、ついにガチンと奥まで入りました(写真右)。思わずパチパチです。 とにかく奥まできちんと入れないことにはリリースボタンが飛び出さず、うまく動作しないのです。


シフトノブの下半分は旧シフトノブから移植

リア用、前がipd、後が標準品 フロント用、前がipd、後が標準品

そして次の問題はシフトノブ下半分の何も無い部分をどうするかです。 シフトブーツをぶら下げるとか、軸を黒く塗って目立たなくするとか、いろいろ考えているうちに、旧シフトノブから下半分を切断して持ってくるアイディアを思いつきました(写真左)。 結果的にはこれが一番よい解決方法ではなかったかと思っています。 旧シフトノブは外側が硬質ゴムで内部は硬質プラスチックなので切断には結構苦労しました。 私は何と木工用ののこぎりで切ってしまいましたが、金属加工用の金ノコがあればそちらがお勧めです。 移植する旧シフトノブの下半分(私の940の場合では51mm)を2〜3mm長めに切っておいて、ドリルの先端に付けた円盤やすりで削りながらちょうど良い長さにしました。

バーチウッドシフトノブの末端には、シフトブーツを引っ掛けるためのプラスチック製の突起が出ていますが、これは切り落とします(写真右)。 新旧の合わせ目は1ミリほど前後方向にズレがありますが、断面部分のエッジを少し削ることにより段差をあまり感じないようにできます。 出来上がった状態を見れば十分に満足のいくものであることが写真でもわかると思います。


ODスイッチはダッシュボードの予備スイッチパネルへ

ODスイッチはダッシュボード正面の予備スイッチパネルに取り付けることにしました。 シフトノブを抜くときに壊してしまったODスイッチは買うと何と3000円以上もするとのことで、代わりになるスイッチをカーショップなどで探しました。 しかし、押した時だけオンになるタイプというとホーンスイッチくらいしかなく、結局ゲストブックでお馴染みの吉野さんに付き合っていただいて秋葉原で見つけたのがこのスイッチというわけです(写真右)。たったの80円でした。 それにしても標準のODスイッチを良く見ると、小さい部品ながらシフトノブの微妙なカーブにぴったりフィットするように三次元曲線を使って入念に設計されたものであることが判ります。 作り込みの丁寧さ、緻密さをここでも知ることとなりました。 したがって、仮にスイッチを壊していなかったとしても複雑な形状のため、おそらくスイッチパネルにフィットさせるのは無理だったでしょう。


ODスイッチの配線方法

配線はシフトゲートから出ているODスイッチのリード線をシフトゲートの下から外に出し、 延長コードを継ぎ足した上でヒューズボックスの右側から下へ降ろし、オーディオコンソールのサイドパネルを通って、ダッシュボードの奥から予備スイッチパネルまで持ってきます。 以下はその作業手順です(前述した説明とは逆の順序になります)。

  1. センターコンソールベゼルを外す。外し方は以下の通り。
    ・シフトレバーをRまたはNの位置にする。
    ・灰皿を外してヒューズボックスが見える状態にする。
    ・ベゼルの前端を固定しているクリップを手で外す。

    ・ブレーキレバー下の2本のタップねじを外す。
    ・ブレーキレバー下のL字型のキャップを手で外す。
    ・ベゼルをそっと持ち上げ、裏側のシートヒーターの配線を外す。
    ・ベゼルを外す。
  2. リード線をシフトゲートの手前の下から抜き出す。
  3. ダッシュボード正面の予備スイッチパネルを取り外し、ODスイッチを取り付ける。
  4. リード線の延長用コードを1.5mほど用意し、ODスイッチに接続する(私は電源ケーブルを使用)。
  5. 運転席側のダッシュボード下のトリムを外す。
  6. 延長コードを予備スイッチパネルの取り付け穴からダッシュの内部へ入れ、サイドパネル奥の下から引き出す。
  7. サイドパネル下から延長ケーブルを内部に入れ、ヒューズボックスとサイドパネルの隙間から引き出す。
  8. 引き出してきた延長コードをちょうど良い長さにカットし「2」のリード線と接続する(接続はギボシがお勧め)。外れないようにしっかり接続する。配線はこれで完了。
  9. センターコンソールベゼルを元に戻す。
  10. 車内に露出している延長コードをオーディオコンソールサイドパネルの下端から内部に押し込んで隠す。
  11. 運転席側のダッシュボード下のトリムを元に戻す。
  12. ODスイッチとともに予備スイッチパネルを元に戻す。
  13. 動作確認して完了。

インプレ

念願だったバーチウッド・シフトノブ、見た目の高級感といい、手のひらに感じるつるつる感といい、大変満足しています。 握りが一回り大きくなったことにより剛性感まで向上したように感じます。 これまでのシフトノブでは少しザラついた感触があったので、これからはシフトノブに触るのが楽しみです。 装着以来、走行中にやたらと触るようになり、操作したい誘惑に駈られています。 この労作に家内は「手が滑って使い難くい」とトンチンカンなことを言ってます(やはり猫に小判だった)。 ODスイッチの方はシフトレバーから手を離して操作するようになりましたが、もともと使用頻度が少ないので問題ありません。


費用(2000年6月)

バーチウッド・シフトノブ(9181353): 23,000円
ODスイッチ: 80円
作業時間: 2日