ウエイストゲートチューン

940 Estate - レポート

〜 ウエイストゲートチューン 〜


1997年モデルである私の940にはターボエンジン(ライトプレッシャー)が搭載されていますが、「Hideの書斎」のHide理論によるウエイストゲートのワッシャーチューンを行いました。


ウエイストゲートバルブの働き

ターボエンジンは排気ガスを吸気側にフィードバックして過給することにより、自然吸気よりも多くの酸素をシリンダー内に入るようにして爆発力を増す仕掛けですが、通常は過給圧が一定以上になると排気ガスの一部を逃がすためのバルブ(ウエイストゲートバルブ)が開きます。

過給圧が規定値以上になるとそれ以上過給圧が高まらないようにウエイストゲートアクチュエーターが作動して、アクチュエーターとシャフトでリンクしているウエイストゲートを開く構造になっています。 そこでアクチュエーターの作動を遅らすことができれば、過給圧が規定値になっても排気ガスを逃がさずに過給圧を高めることが可能になるというのが、Hide理論です。

Hideさんは、それを2mm〜3mm厚のワッシャー2個で簡単にできることを推定し実践したところ、効果が確認できたというので私も試した次第です。


ウエイストゲートアクチュエーターがある場所

ウエイストゲートアクチュエーターは冷却ファンの裏、タイミングベルトの左下あたりにあります。 作業はアクチュエーターに付いている上に開いた三角形の形をしたプレートを留めている左右2個のボルトを外して、プレートの裏側にワッシャーを挿入するだけで完了です。 ワッシャーの厚さを変えることによって、ウエイストゲートバルブを開くタイミングを調整することができますが、2mm〜3mm程度が無難のようです。 ワッシャー厚と過給圧のアップ量との関係は、Hideさんの測定によると、ワッシャー無しの時の0.42kg/cm2に対して、2.2mm厚 → +0.16kg/cm2、3.2mm厚 → +0.24kg/cm2となっています。 いずれも4000rpm〜4500rpm時の最大過給圧をチェック。Hideさんの940はハイプレッシャーターボ165psですが、おそらくアップ量は同程度と思われます。 「Hideの書斎」に詳しい解説がありますのでご覧下さい。

ウエイストゲートアクチュエーターがある場所 ウエイストゲートアクチュエーターがある場所 ウエイストゲートアクチュエーター


インプレッション

すばらしい効果があると思います。 2500〜3000rpmのトルクに厚みが加わったことと、3000から4000rpmにかけてのトルクに粘りが増したことを体感することができました。

最後に、この種の改造はエンジンに影響を与える内容ですので、実施する場合はあくまでも自己責任で行って下さい。


ウエイストゲートチューン強化(2002年2月2日)

もう少しブースト圧を得るためにワッシャー厚を2.2mmから3.0mmに変更しました。 2.2mmを入れたときの変化よりも顕著に体感できます。 スタート直後の2500rpmあたりから4000rpmを超えるまで続く息の長い加速は痛快そのものです。 低回転からブースト圧が得られるようなのでスタート時の出足もぐっと出る感じになりました。 このチューニングは3mmが最適値のようです。


部品(2001年5月)

2.2mm厚ワッシャー: 2個
3mm厚ワッシャー: 2個(2002年2月こちらに変更)