MyS90に装着されていたホイールにはリムの周囲にかなり多くの傷があって、DIY補修では追いつかない状態でした。 自分で付けた傷でもなく、少々目障りになってきたのでインチアップを兼ねて新調しました。 インチアップ前、7.0J-16+205/55だったものがインチアップで、7.5J-17+225/45となりました。 インチアップは17インチから19インチまで考えられますが(下表)、控えめに17インチを選択。 しかし現在は18インチ、19インチがトレンドで、国産車でも19インチを新車装着しているセダンが出現しています。
標準装着 | インチアップ | |||
ホイール径 | 16インチ | 17インチ | 18インチ | 19インチ |
リム幅 | 7.0 | 7.0/7.5 | 7.0/7.5 | 7.5 |
オフセット | 43mm | 35〜40mm | 35〜40mm | 35〜40mm |
タイヤサイズ | 205/55 | 225/45 | 215/40 | 215/35 |
タイヤ総幅 | 214mm | 225mm | 218mm | 218mm |
外径 | 632mm | 634mm | 629mm | 633mm |
外径誤差 | − | +2mm(0.32%) | -3mm(-0.47%) | +1mm(0.16%) |
※寸法はETRTO(欧州タイヤ総合規格)資料による数値 |
※タイヤサイズは標準装着に対して外径誤差が最少となるものを選択 |
輸入車用ホイールのアフターパーツ市場はベンツ用とBMW用が中心で、これまでボルボ用(PCD108/5H)は極めて少なかったのですが、FFボルボになってからはかなり市場に出回るようになったようです。 幸い960/90系は薄顔960(1995年)以降オフセットがFFボルボの43mmと共通化されたため、20mmの940系に比べるとかなり選びやすくなっています。 タイヤサイズは215/45と225/45のいずれかになりますが、215/45は総幅が1mm細く(なぜか205/55よりも細い)、外径が6mm小さくなります。 これに対して225/45は総幅が11mm太く、外径が2mm大きくなります。 今回は外径誤差の少ない225/45にしました。(2004.10.26)
インチアップ前 | インチアップ後 | 増減 | |
ホイール | 9.2Kg※1 | 10.5Kg | +1.3Kg |
タイヤ | 9.2Kg※2 | 9.6Kg※4 | +0.4Kg |
合計 | 18.4Kg※3 | 20.1Kg | +1.7Kg |
※1 18.4Kg(合計) - 9.2Kg(タイヤ) |
※2 9.8Kg(新品時) - 0.6Kg(磨耗分推定値) |
※3 今回計測値(4分山) |
※4 未発表のため参考としてP7000の値 |
ロンデル カップライン ROLDELL社サイトのDesigncenterでVOLVO各車へのフィッティングが楽しめる。 |
ホイール内側 |
ピレリ ドラゴン |
トレッドパターン |
装着完了 |
前から見た側面 |
後から見た側面 |
インチアップする場合、ボルボ車はホイールハウスに余裕が少ないので内側に出っ張らせないことが重要になります。 オフセットを変えずにタイヤをワイド化すると、タイヤが内側に張り出して足回りと干渉する可能性が高まります。 これを回避するにはオフセットを浅くしてタイヤ全体を外側に移動させてやれば良いわけですが、ワイド化の程度によってはタイヤがフェンダーからはみ出てしまう可能性が高まります。 またキングピン軸とホイール中心線の接地面でのオフセットが拡大してタイヤが片減りする、直進性が悪化する、ステアリングが重くなる、などの弊害もあります。
考え方としては、ワイド化は極力抑え、ワイド化する場合は増えた分を吸収する範囲でオフセットを浅くしてやる、ということになります。 その値はおそらく5mm前後ではないかと思われます。 つまりオフセット43mmのボルボ車のタイヤをインチアップをする場合、オフセットが38mm前後のホイールを選べば10mm前後のワイド化ができることになります。
今回選んだホイールのオフセット35mm(標準の43mmに対して8mm浅い)は微妙なところです(理想的には38mm)。 外形誤差を抑えるために225サイズのタイヤにしたにもかかわらず、タイヤ幅の増加分5.5mm(225-214の半分)よりもタイヤが外側に移動した量(8mm)の方が2.5mm大きかったため、その分(2.5mm)だけ内側のクリアランスが広がることになったからです(→インチアップ図面)。 そのかわりスポーク部が張り出たデザインのホイールなので車検が通るかどうかは微妙です。 車検はタイヤとホイールの上半分がフェンダーに納まるかどうかが目安になります。(2004.10.26)
リア |
フロント |
リア |
フロント |
真正面から見ると |
上から見ると |
リアビュー |
フロントビュー |
フロントビュー(下から) |
サイドビュー(上から) |
サイドビュー |
インチアップした吉野号 |
カップラインを履く吉野号 |
Rタイプを履くMyS90 |
新しいタイヤと磨耗した古いタイヤの比較では、あらゆる面で新しいタイヤの方が好印象になってしまい、公平な比較になりませんが、この辺ところはお許しください(私はミシュランのファンです)。
扁平率45%&10%ワイド化のタイヤは乗り心地など興味しんしんでしたが、思ったよりも“普通”でした。 気に入っていたフットワークの軽快さもそのままだったので一安心しています。 ロードノイズについては、4分山のプライマシーと比べると、新品であるにも関わらずドラゴンの方がやや大きくなった気がします。 ただし目くじらを立てるほどのものではなく、慣れてしまえばどうということはないでしょう。 これはおそらくドラゴンの空気圧を高め(240kPa)にした影響がかなりあると思います。 心配していたステアリング操作の悪化(重くなるかも知れないという心配)も、まったく感じることができませんでした。
直進性については、轍のある道路(今では滅多にないが)や高速道路での状況はまだわかりませんが、通常路面で直進性が乱されるようなことはありませんでした。 コーナーが続くような道はまだ走っていませんが、コーナリング時のグリップやサイドウォールの剛性は明らかに増していて信頼感があります。 ハーシュネスはプライマシー同様それなりにありますが、その分路面情報が伝わってくるので好ましいと思っています。 スポーツタイヤとはいってもかなり実用的なタイヤではないかと感じます。 意外だったのは、高さ5センチ程度のバンプを乗り越える際の当たりが、新品タイヤだったせいか、ややコンフォート寄りのプライマシーよりもドラゴンの方がむしろ柔らかだったことです。(2004.10.26)
このレポートの後でわかったのですが、ショップでは荷重指数が2ポイント下がったということで空気圧を240kPaにしてもらいましたが、たしか同じだった気がしたので再度調べたら、やはりどちらも91(速度記号は"V"から"W"に上がりました)であることがわかったので220kPa程度に減らす予定です。 これでもう少しまろやかになるのではないかと期待しています。(2004.10.29)
10月末に小淵沢まで中央道を往復しましたが、高速でのドラゴンのスタビリティーはなかなかのものです。 車線変更時も予想していた通り腰があり、車線変更が一段と楽しくなりました。 またロードノイズは思ったよりも静かで、大半の場所で風切り音しか聞こえませんでした。 一般道におけるやや硬めの乗り心地が、高速道ではそれがそのままスタビリティーの良さに繋がっているという感じです。 なお、空気圧は出発前に230kPaに下げて出掛けました。 たった10kPaの減少ですが明確に柔らかくなりました。 次の機会には220kPaにする予定です(2004.11.2)
ホイール ロンデル D26/カップライン 7.5J-17+35 108/5 MADE in GERMANY
タイヤ ピレリ ドラゴン 225/45-17 91W MADE in ITALY
セット価格 \149,100円(税込み)
組付け料 \4,200円(税込み)
取付け料 \4,200円(税込み)
購入店 矢東タイヤ杉並店
[ モディファイ/メニュー ]