毎年行っている富士見高原の山荘には音楽を楽しめるような再生装置がないので、気の利いたポータブルスピーカーでもないものかと常々探していました。 そんな時(2009年2月頃)、店頭で超小型ながら他のスピーカーとは一線を画す迫力ある音を出しているボーズのM2(Computer MusicMonitor)というスピーカーに遭遇しました。 ボーズのM2(\39,480→2012/9/28より31,500円に値下げ)についていろいろ調べていると、M2は2007年11月に発売されたのですが、実はその前にM3(Micro MusicMonitor)というスピーカーが存在していいて、今から3年前の2006年3月から昨年(2008年)8月まで日本専用モデルとして販売(\49,980)されていたことがわかりました。 ところが販売終了後も復活を望む声が多かったらしく、ついに今年(2009年)の1月末、600セットだけ限定で再販売されたというのです。 いろいろな評価記事を読んでみるとM2よりもM3の方が私の好みに合うようだったので、手に入れるならM3だろうと思いました。 しかしこの限定600セットは即完売となったため、私が限定発売の情報を知った時はすでに市場から姿を消していました。 このM3はその600セットのうちの1台で、2月末にヤフオクで未開封の新品がプレミアム価格で出品されていたので、新品で手に入れられる好機と、急ぎゲットしました。(2009.3.10)
W64×H122×D123mm、質量:左右各0.6Kg、出力:20W×2(電池使用時2W×2)。 オールアルミのエンクロージャーはずっしりと重たく手に持っただけで強固な作りであることを感じさせる。 音声入力はミニジャック形式なので、いろいろなプレーヤーを接続できそうである。
Bose Micro MusicMonitor
スピーカー背面![]()
ボーズの住所にマサチューセッツ州フラミンハム市と書かれているが、1987年に出張した時に1週間ほど滞在したマルボロ市から近い町で、市内のスーパーに日用品を買い出しに行ったことが懐かしく思い出される。本機の低音再生を担う、ハイパーレゾネーター(共鳴器)部。丸い振動板が左右に貫通するスリット内で向き合っている。低音再生時はスリットからかなりの空気が出る。
ハイパーレゾネーター部写真の右チャンネルスピーカーに内蔵されるアンプはDSP回路付のデジタルアンプ。 アンプのコントロールは電源スイッチと音量調節ボタンのみときわめてシンプルである。 なお、電池駆動用の単3電池4本は左チャンネルスピーカーの底部に収納する。
コントロール部
黒の本革製スピーカーカバーを使うと本体を保護できる。アウトドアでの使用を想定した装備のようだ。本革のにおいがGood!
ポータブルらしい装備端子配置など形状の違いに合わせ、左右個別に作られている。別売りでも良さそうなこういうものを標準装備させるのはかなり贅沢で、メーカーの意気込みが感じられてうれしい。
贅沢な本革製のカバー本革のカバーはステッチの縫製も丁寧で、とても美しい仕上げとなっている。
ステッチの縫製も美しい
このキャリングケースは残念ながら標準装備ではなく別売り。そのためボーズのオンラインショップでM2用に販売されているものを購入(\6,930→2012/9/28より6,300円に値下げ)。
純正キャリングケーススピーカーの形に型取られた窪みは本革カバーを着けた状態では少々きついがなんとか入る。
スピーカーを固定できる付属するACアダプターや各種ケーブルがすべて収納できて、しかもショルダーが使えるのでとても重宝しそうだ。
オールインワン収納
携帯やノートPCと組み合わせてみる
普段聴いているミュージックプレーヤーのイヤスピーカーをM3につなぎ換え、P905i→(ブルートゥース)→ヘッドセット→M3で聴く。 P905iへ保存している音楽ファイルはWMA形式。
携帯との接続ノートPCは13.3インチワイドのDELL Studio XPS 13。前面のイヤホン端子(ミニプラグ)から右側のスピーカーの背面に接続。ノートPCとスピーカはいずれもバッテリー駆動。
ノートPCと接続キーボードのイルミネーションがオフの状態。画面の解像度は1280×800。
キーボード・イルミ OFFキーに触れるとイルミネーションがホワっと点灯し、文字が見やすくなる。この機能は照明が不足している時などに威力を発揮する。老眼にも優しい機能。
キーボード・イルミ ON
<試聴して> いつも聴いている音楽を聴いた第一印象は、モニタースピーカーの名に恥じない強靭かつ分解能が高い音がするなということだった。低域から高域まで、スピーカーのサイズからは想像できない、密度の濃い音が力強く再生されるのである。
残念ながら「タイタニック」1曲目の深海を思わせる底知れぬ重低音はちょっと無理のようであるが、楽曲の通常の低音は十分に堪能できる。高域は音楽によってはやや強めに感じることもあるが、付属する本革のスピーカーカバーを着せることで少し抑制できるようだ。なお、ACアダプター駆動と電池駆動では最大音量に差が出るが、それは当然であろう。
それにしてもスピーカーのサイズをはるかに超える堂々とした鳴りっぷりは聴き応え十分で、小型スピーカーがこんなにも進歩していたのかと驚くばかりである。しかもこれが3年も前に発売されていたというのだから。
余談であるが、以前、ダミーのスピーカーを左右に置いて、最後に音が出ていたのは真ん中に置いたスピーカーだけでしたと明かすボーズのデモを見たことがあるが、この製品の記者発表の時もダミーのウーファーを中央に置いて最後に種明かしをして驚かせたとのことである。ボーズの小型スピーカーへの執念には改めて脱帽する。